美術館・ギャラリー、劇場・ホールなどのように、芸術表現活動に特化した施設等以外の場で活動に取り組む場合、必ずと言っていいほど何らかの許認可が必要になるはずです。施設等でも当然、火気の使用や食品衛生など、特殊な内容にはこれがつきまといます。そもそも何のために、何処/誰に対して許認可を申請する必要があるのか、ということ自体をまず考えなければいけません。
例えば公園や公道、公開空地などであればその所有者や管理者に対する使用許可が必要、というイメージはしやすいでしょう。許可を得る際に、類似する使用例についての注意点を知ることができるかもしれませんし、使用にあたってのガイドラインやルールが定められていれば、内容もそれに合わせて調整することができます。
何らかの構造物を設置する場合、火気の使用や食品衛生に関わる内容が含まれる場合などは、その会場等の管理者や所管の消防署、保健所等への許認可や申請が必要になることが考えられます。これらは公衆の安全を担保するため、という観点から定められている法規に対応するための手続きであり、単純な制約、避けたい手間だと捉らえることは危険です。結果的に申請が不要な内容だったとしても、関係しそうな管理者等に相談しておくこと自体が円滑なプロジェクト実施につながるのです。
そして許認可さえ取れていれば安心、ということには必ずしもなりません。あくまで法規的リスクへの事前対応にすぎませんので、実際が伴うことはもちろん、法規にはよらない社会通念的なリスクの洗い出しや対応等についても検討しておく必要があります。許認可申請は、あくまで事務手続きやリスクマネジメントの一部なのです。